さて、そろそろ夕食の時間である。昼間の魚がおいしかったので、夜ももちろん魚介類を食べることにした。ガイドブックによると、この近くに“ポルトガル”というレストランがあり、魚料理が比較的安く食べられると書いてあったので、そこに行くことにした。
『店頭に生簀がある』と書いてあったので、それを目指して探した。しかし、生簀があるお店はすぐ見つかったのものの、看板を見るとどうやら“ポルトガル”というレストランではなさそうだ。さんざんうろうろして探したが、やはり地図と照らし合わせても、そのお店がポルトガルというレストランらしい。よくよく看板を見ると、小さく“ポルトガル”と買いてあったので気づかなかったのだ。なんともわかりにくかった。
そこに入ろうとしたが、大きな生簀があって、高そうなロブスターがいっぱいいたり、何となく高級そうな感じのするレストランだ。メニューを見ても、やはりちょっと高めだ。そのためそこは入らずに、もっと庶民的なレストランを探してみることにした。そしてその辺のレストランを見ながら歩いていたら、また雨が降ってきた。昼間入った“ジョアン・ド・グラン”のレストランの斜め前にあるレストランが、こじんまりとしていて良さそうな雰囲気だ。しかも、人がけっこう入っている。人がたくさんいるレストランはおいしいに違いない。雨に濡れたくないので、もうこれ以上迷わずに、そこに駆け込んでしまった。
入ってみると、地元客らしき人たちがたくさんいた。カウンターで近所のおじさんらしき人が、お店の人と話しながら飲んでいる。“これはいけるかも”と思った。メニューを見ると、昼間のレストランよりも少し安い。さらに庶民的だ。ウエイターのおじさんも素朴ではにかんだような笑顔の感じのいい人だ。
ここで、ベジタブルスープ、シーフードリゾット、タコのボイルを頼んだ。ポルトガルは、何気にワインが豊富でおいしいのだ。寒かったのでビールよりもワインを飲みたかったので、ワインを頼んでみることにした。赤ワインがボトルで4.5ユーロ(648円)と驚きの安さだ。
![]() 赤ワイン・ボトル | ![]() 赤ワイン |
さて、料理の味だが、本当に、本当にどれも驚きのおいしさだった。今思い出しても、生つばが出てくるような絶品のおいしさ!!魚介類の豊富な料理は、そもそも日本人に合っていると思うが、特にこのシーフードリゾットやタコのボイルは、日本人なら「おいしいっ!」と言うに違いない味だった。赤ワインもさっぱりとした飲みやすい味。ワインと料理がどんどん進み、ワイン1本では足りないほどであった。
まず、パンを食べてみた。パンは、ポルトガルではだいたい同じ様なパンが出てくるが、やはりこのお店も、見た目はかたそうな生地だが、ちぎってみると意外にふかふかでやわらかい。味はやはりシンプルで、料理の味をじゃましないもの。本当においしく、日本でもこのようなシンプルなパンを売って欲しいくらいだ。それに付け合せのチーズをつけて食べてみた。
![]() ポルトガルのパン | ![]() パンのつけ合わせたち |
このチーズは、ポルトガルではよく食べるのか、どこのお店でも付け合せによく出てきた。そして、このチーズがまた絶品だったのである!
なめらかなチーズで、味はちょっとしょっぱいがシンプルでくせのないもの。日本ではありそうでなさそうなおいしさで、シンプルなパンと絶妙な相性だった。このおいしさに感動した私たちは、メインが来る前からパンをバクバク食べてしまった。あまりのおいしさに、スーパーマーケットでこのチーズを探して買って帰ることを決意した。

さて、いよいよシーフードリゾットである。シーフードリゾットは、どこのお店でもやや高めの値段である。このお店でも1人前9.5ユーロ(1388円)する。大体1人前と2人前の両方があり、2人前は18ユーロ(2592円)だった。きっと量が多いに違いないので、私たちは1人前を頼んだ。
案の定、銀の大きめな鍋にたっぷりのシーフードリゾットが出てきた。明らかに日本人にとっては量が多いと思う。2人前はいったいどんな大鍋で出てくるのだろう。鍋の蓋を開けると、驚くほどたっぷりの魚介類が入っていた。

日本のシーフードリゾットなら大きなえびが入っていたとしても、数えるほどだろう。それがぷりぷりのえびたっぷり、その他魚介類たっぷりで、一口一口に常においしい魚介類の身が入っているくらい、具がたくさんだったのだ!
魚介類たっぷりなだけあり、魚介類のだしがきいた、トマト風味のリゾット。本当に本当においしかった。この内容で9.5ユーロは、絶対に安いと思った。

塩で茹でられたあっさりとした味。大きいがやわらかく、大味ではない。タコ自体がおいしいからか、シンプルな塩味がおいしさを引き立てていた。おなかいっぱいだったけど、2人で夢中で食べた。巨大なタコに、野菜たっぷりついていて、7ユーロである。なんて安いんだろう!感動の夕食であった。
そして、考えた。日本から遠く離れたポルトガルの地で、温かい人たちに触れながら、こんなおいしいものを食べられる自分の幸せを。
私は旅行の楽しみの中で、おいしいものを食べるということが、かなりの割合を占めている。すると、ポルトガルに来て、この時点で旅行の楽しみはかなり満たされたことになる。人も温かいし、2日目にしてすでに「ポルトガル万歳!」と叫びたい気分であった。
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